広い敷地を分割して売却した場合の3,000万円控除について

全体の売却として一連の行為と認められれば、敷地全体に適用可能となります。

 

  広い住宅敷地を売り出すとすると、売値が高くなるため、なかなか買い手がつきません。そうすると不動産業者は敷地を2分割して手頃の価格で早く売る提案をしてくることがよくあります。

 自宅を売却する際には、譲渡所得(売却益)から最高3,000万円を差し引ける譲渡所得の特例を適用できれば税負担を大きく減らすことができます。

 

 この特例は居住用財産の売却を対象にしたもので、家屋が建っていない土地には原則として適用できないのですが、敷地を分割したことにより建物が建っている土地と庭部分の建物が建っていない土地が生じ、それぞれ別々の買主に売却したケースであれば、建物が建っていない土地も含め3,000万円万円控除を適用できます。この例外は、あくまでも居住用財産を売却するために土地の分割が必要だった場合に限って認められます。

 

 敷地が広すぎるため買い手が見つからず、敷地を分割して建物が建っている宅地部分と建物が建っていない更地部分に分けて別々に売却するケースは、敷地全体を譲渡するために必要なものなので、たとえ分割後の一方の土地に家屋が建っていなくても、宅地を対象とした特例を敷地全体で使えることになります。

 

 全体を売却しようという一連の行為として認められるためには、「マイホームの全部を売却する計画であったこと」と「同一年中にすべての譲渡が完了していること」が求められます。

 

 3,000万円の控除が認められる背景には、自宅の売却で譲渡所得が出たとしても売却後には新しい住まいを見つける必要があるため、過大な税負担を負わせるのは酷であるという考えがあります。

 そのため別荘の売却や特例を受けることを目的とした形式的な入居であると判断されると当然適用されません。